
釉薬が絵を描いてくれる
窯の炎と土と釉薬が描き出す たったひとつの景色
The glaze paints its own picture A one-of-a-kind landscape shaped by flame, clay, and glaze in the kiln.
KASHIWACRAFTかしわ窯について
KASHIWACRAFT(かしわ窯)は、日本六古窯のひとつに数えられる愛知県瀬戸市で、1965年に創業した窯元です。
創業以来「ガバ鋳込み製法」によるもの づくりを大切にしながら、ぬくもりのある陶器を作り続けています。
初代が試行錯誤の末にたどり着いた独自調合の赤土と、炎のあたり方で焼きムラが生まれるように調整された釉薬。
焼成の中で、土にはわずかな歪みが、釉薬にはまるで絵を描くような表情が現れます。
同じ窯で焼いても、同じ仕上がりにはならない──その偶然がもたらすゆらぎこそ、かしわ窯の大きな魅力です。
手しごとの跡が残るやさしい風合いと、時を重ねることで深まる味わい。
「新しかったものが時を経て古くなり、古いものがまた新しく感じられる」──
そんな移ろいの中で育まれる美しさを大切に、長く暮らしに寄り添える存在となるよう、ひとつひとつ心を込めてつくっています。
HISTORY
かしわ窯のはじまり
1960年代、北欧デザインの黄金期の影響により、瀬戸では鋳込み(いこみ)製法を用いた小規模な工房が次々と生まれました。
かしわ窯の創業者・岩附壽之(いわつき ひさゆき)も、当時フィンランドのデザイナーであるカイ・フランクの作品など北欧スタイルに強く刺激を受け、1965年に瀬戸市東洞町で自身の窯を開きました。
岩附壽之は「ずっと作り続けられる、永続性のあるデザイン」を志しました。
その想いを実現するため、デザイン・原型を自ら手掛けて鋳込み技法による小ロット反復生産に取り組み、ものづくりを始めたのです。
― 有名企業とのOEM
創業当時、瀬戸地域では白い磁器製のノベリティ(装飾置物)が全盛でしたが、かしわ窯ではあえて赤土を使い、
還元焼成による釉薬の窯変(ようへん)と土の微妙な歪みを活かした動物モチーフの置物を制作しました。
こうした独自の作風が名古屋の商社の目に留まり、アメリカ西海岸や北ヨーロッパへの輸出注文が急増して有名企業とのOEM生産も行われるようになります。
しかし、1985年のプラザ合意後に急激な円高となると輸出業は苦境に陥り、多くの瀬戸の窯元が廃業を余儀なくされました。
そのような中で、かしわ窯は鋳込み製法による国内向け製品へと軸足を移し、事業を継続していきます。
さらに国内外の若手デザイナーや一流企業とのOEM案件に携わりながらも、創業当時から変わらない少人数での一貫生産体制を貫き、
デザインから原型制作・鋳込み成形・施釉・焼成から梱包出荷に至るまで全て自社で行っています。
― 最大の特徴
2006年には創業者の息子である二代目・岩附寿人(いわつき ひさと)が跡を継ぎ、初代から受け継いだ赤土と釉薬の独自配合、
鋳込み製法、還元焼成の技術と精神を守りつつ、新たな動物オーナメントやフラワーベースのデザイン開発にも力を注いでいます。
かしわ窯の最大の特徴である複雑なレリーフ模様も、現代の感性に合わせてアップデートを重ねながら受け継がれており、
時代を超えて愛されるものづくりの歩みが静かに続けられています。
― かしわ窯の個性
ものづくりへの思い
― かしわ窯の個性
かしわ窯のアイデンティティは、「鋳込み製法」と「土」と「釉薬」。
様々 な職人の技術が結集した複雑な鋳込み製法は、独自の土と釉薬によっ て表現されます。
かしわ窯の「土」は柔らかく、完成までにゆっくりと歪んでいきます。
これは初代が幾度も試した配合の末に仕上がった土の配合です。
この 雰囲気は、2 代目が当時の釉薬や製法を変わらず受け継いでおり、時間の経過によって生じる微妙な歪みにより、
フリーハンドの線のような温かみが感じられます。
そして、かしわ窯の釉薬は焼きムラが出るように作られています。
同じ窯にいれても炎のあたり方によって全て表情が変わります。
赤土と釉薬 の相性によって生まれる風合い。
マットな肌触りと中間色で温かみのある雰囲気。
土と釉薬の配合はかしわ窯の柱であり、焼きムラ、色ムラ、 歪みは、かしわ窯の個性です。
みんな違っているのが面白く、個体差が あって特別感が生まれる。
これこそが私たちの最大の特徴です。
― 経年変化の美しさ
創業時から変わらぬ製法とともに、2 代目が新たなデザインへの取り組みや、創業当時に生産したデザインの復刻に取り組んでいます。
新しかったものが時を経て古くなり、古いものが再び新しく感じる。
守り、 創り、育てる……経年変化の美しさをかしわ窯で表現していきます。
DESIGN
かしわ窯の赤土と釉薬だからこそ、生み出せるデザイン
1965 年に愛知県瀬戸市で創業した、かしわ窯。
当時は北欧デザインの黄金期であり、影響を受けた瀬戸の若手作家の間では
「鋳込み製法」で小ロット生産を行う工房を立ち上げる動きが起こりました。
初代・岩附壽之もフィンランドのデザイナー・カイ・ フランクの影響を強く受けた一人です。
― 職人の技術が結集した複雑な製法
かしわ窯のアイデンティティの鋳込み製法は、粘土や石膏で原型を作ってから三度の工程を繰り返し、量産用の型がようやく出来上がります。
職人の技術が結集した複雑な製法です。
かしわ窯の土は柔らかく、完成までゆっくりと歪んでいきます。この土は瀬戸で採れた赤土を活かし、初代が独自に仕上げた配合です。
時の経過で生じる土の歪みからフリーハンドの線のような温かみ、歪みの心地よさが感じられます。
開発に約2年の歳月をかけた独自の釉薬は、焼きムラと焦げによってレリーフの柄が引き立つよう作られています。
赤土と釉薬の相性によって生まれる風合い。マットな肌触りと中間色で温かみのある雰囲気。
炎のあたり方、気温・湿度の変化、季節で違う表情で焼き上がる一期一会の作品です。
―私たちの最大の特徴
土と釉薬の配合はかしわ窯の柱。焼きムラと歪みはかしわ窯の個性。
みんな違うのが面白く、個体差から特別感が生まれる。
これが私たちの最大の特徴です。
創業時から続く原料・製法とともに、二代目は新たなデザインや創業当時の復刻デザインに取り組んでいます。
守り、創り、育てる。経年変化の美しさを表現しています。
TRADITION
かしわ窯として受け継ぐ
ものづくりの意志
― 長く同じものを愛し、作り続ける心
かしわ窯の原点は、初代・岩附壽之が陶芸作家を目指して瀬戸に移住したことから始まります。
まず壽之は海外向けノベリティメーカーに 就職し、原型師の基礎を学びました。
26歳で独立し、瀬戸市洞町に工房を創設。
北欧デザインに影響を受 けた時代で、「鋳込み製法」による小ロット生産を行う工房が多く立ち上がりました。
瀬戸は白磁器のノベリティの全盛期でしたが、壽之は赤土の歪みと還元焼成で窯変する釉薬で作られるノベリティを目指し、
土と釉薬の配合を研究しながら自分の好きな物を生み出しました。
その後、商社の目に留まってアメリカ西海岸、ヨーロッパへの輸出が急増しました。
輸出から受けた感性は、日本伝統と欧米文化が融合したデザイン力として今なお息づいています。
プラザ合意やバブルの影響を受け、国内需要は幾度となく変化。
しかし、欧州の人に根付く「長く同じものを愛し、作り続ける心」に共感し、一過性の流行には流されず自分のスタイルを貫きました。
― 職人の手仕事
2006 年、岩附寿人が二代目に就任。
土と釉薬の配合、鋳込み製法と還元焼成を受け継いでいます。インテリアデザインを学んだ寿人は、街並みに馴染む建築のように居住空間に溶け込むものを粘土で表現するべく、動物をデフォルメしたオーナメントやフラワーベースを新作として開発しています。
石膏型を利用するかしわ窯は複雑な反復生産が可能で、デジタル社会の中でも職人の手仕事にこだわっています。
古くなった物を大切に使い続ける欧州文化のように、経年変化を楽しみながら愛着を持ち続けられるものを目指し、動物たちが森で深呼吸をしているような心地よさを感じながら、生活のすぐ側に置いてほしいと願っています。
CRAFTSMANSHIP
技術と素材
― 「歪みを生む、緻密な計算。」
この言葉は、かしわ窯のCraftsmanship(技術と素材)を象徴しています。
手仕事による鋳込み製法を駆使し、製造過程で生じるわずかな歪みやムラさえも作品の味わいとして計算に入れています。量産では通常、均一な仕上がりが求められますが、かしわ窯ではあえて揺らぎや歪みを残し、一つひとつ異なる表情と温もりが宿るようにしているのです。
その鋳込み製法の工程自体も、職人技の結集です。
粘土や石膏で原型を一つ制作し、その原型から石膏型を取って元型を作成します。
さらに元型から型取りしたケース(使用型を作るための型)に石膏を流し込み、
製品を成形するための使用型をようやく完成させます。
こうして製品用の型ができるまでに合計3回もの型取り工程を要する、非常に手間のかかる複雑な手法です。
かしわ窯では、創業以来変わらぬ素材へのこだわりも大切に受け継がれています。地元・瀬戸で採れる土を基に、初代が何度も試行錯誤して完成させた柔らかな赤土があります。その赤土は二代目にも受け継がれ、焼き上がりまでにゆっくりと歪みが生じていきます。時間の経過とともに現れる微妙な歪みが、まるで手で描いた線のような温かみを作品にもたらすのです。
また、約2年の歳月をかけて独自に開発された釉薬も、かしわ窯ならではの特徴です。窯での焼成には還元焼成という手法を用いており、釉薬は焼きムラや焦げが出るようあえて調整されています。同じ窯で焼いても、炎の当たり方や気温・湿度などの条件によって発色が一つひとつ異なり、まったく同じ表情の作品は生まれません。赤土と釉薬の相性が織り成す独特の風合いと、マットな質感・中間色から生まれる優しい色味も相まって、釉薬が絵を描くように量産品にはない複雑で奥深い表現が生まれています。
効率や精密さが重視される今の時代においても、かしわ窯は手仕事のぬくもりを何より大切にしています。
石膏型を使って複雑なかたちを安定して生み出せる体制は整えながらも、最後まで人の手を介して丁寧に作り上げています。
だからこそ、どの作品にもやさしい表情や個性が宿り、デジタルがあふれる現代の暮らしに、そっとあたたかさを添えてくれるのです。
METHOD
鋳込み製法とは
― かしわ窯のものづくりを支えているのが、ガバ鋳込み製法です。
石膏型に泥しょうと呼ばれる液状の土を流し込むと、石膏が土の中の水分を吸い取り、型の内側の土が少しずつ固まっていきます。
その後、中心に残った液状の土をガバッと吐き出すことで、固まった土だけが型の内側に残り、かたちが生まれます。
季節や気温、泥の状態を見極めながら成形し、型から外した後は、はみ出た土をマガリでかき取り、濡れた布で丁寧に拭き上げて仕上げます。
手仕事の味わいを大切にしながら、安定した反復生産にも対応できることが、この製法の大きな特長です。
LOCATION
千年陶都・瀬戸の原風景
窯垣の小径
― 洞地区(かしわ窯 名称の由来)
工房の裏手にはクヌギやコナラの雑木林が広がり、秋になるとドングリがコロコロと落ちて子どもたちが笑顔で拾い集めます。その実(ドングリ)から「かしわ」という窯の名前もいただきました。自然の木立と陶土(すえつち)に囲まれながら、今も焼き物と向き合うかしわ窯の毎日には、千年の土地の記憶が静かに息づいています。
― 窯垣の小径
愛知県瀬戸市は、中世から現代まで陶磁器の生産が続く6つの産地「日本六古窯」の一つとして知られています。その瀬戸焼は1000年以上の歴史を誇り、長く国内の窯業を牽引してきました。焼き物全般を指す「せともの」という言葉も瀬戸に由来し、瀬戸の陶磁器産業は今なお国内外にその名を知られる存在です。
かしわ窯の工房がある愛知県瀬戸市・東洞町(ほらまち)は、かつて多くの窯元が集まり、やきものの町としてにぎわっていた地域です。
現在では数軒を残すのみとなりましたが、通りには今も「窯垣の小径(かまがきのこみち)」が静かに続いています。
窯垣とは、使い終わった窯道具を積み上げて作られた塀のこと。約400メートルにわたり、幾何学模様のように美しく並ぶこの景色は、全国でも瀬戸ならではのものです。
使い古した道具を捨てず、景観の一部として生かす――その発想には、ものを大切にしてきた人々の思いや、サステナブルな精神が息づいています。
「窯垣の小径」は、瀬戸のやきもの文化を今に伝える風景として、地元の人々に大切に守られてきた産業遺産です。歩くだけで、この土地が育んできた時間の記憶に触れられるような、そんな場所です。
SETO
日本を代表する
焼き物の産地・瀬戸
― 愛知県瀬戸市
日本六古窯の一つとされる、愛知県瀬戸市。六古窯とは、古来の陶磁 器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯(越前・ 瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)の総称です。1948年頃に命名され、2017年「日本遺産」に認定されました。
― 瀬戸焼
「瀬戸焼」とは、愛知県瀬戸市を中心に作られる焼き物の総称であり、 約1,000年以上の歴史を誇ります。焼き物全体を指す名称として使われる「せともの」という言葉は、国内の窯業を長く牽引してきた瀬戸焼が由来となっています。瀬戸は国内に留まらず、世界にも認められる陶磁器産業が息づく地域です。


Hisayuki Iwatsuki 岩附壽之

Hisato Iwatsuki 岩附寿人
NEWS
お知らせ
新作やイベント出展など、かしわ窯の「今」をお届けします。

2026.03.04
お知らせ
WEBサイトをリニューアルいたしました。
RECRUIT
手でつくる。心をつなぐ。
かしわ窯は、愛知県瀬戸市の自然に囲まれた小さな工房です。
1965年の創業以来、私たちは鋳込み製法と手仕事の技術を大切に守りながら、
日々、土と炎と向き合い、暮らしに寄り添うものづくりを続けています。
同じものはひとつとしてできない。
釉薬のムラや焼きの歪み、その“ゆらぎ”こそが、私たちの誇りです。
私たちは少人数で制作を行っており、常に採用を行っているわけではありません。
ですが、ものづくりへの情熱と、かしわ窯の価値観に共感してくださる方との出会いを、いつも大切にしています。
募集の際は本ページにてお知らせいたします。
ものづくりに携わりたい方、ご興味をお持ちの方は、ぜひそのときにご連絡ください。
いつか良いご縁が結ばれることを、心より楽しみにしています。
CONTACT
お問い合わせ
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